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不登校の親の会「のうす」第6回講演会 [行ってきました(♪あんだんて♪レポート)]

「発達障害を持つ人たちの生きにくさとその支援」 講師 村松陽子さん(児童精神科医・京都市児童福祉センター勤務)

村松医師は、児童精神科医として18年間勤務されており、途中米国の大学で自閉症支援について研修を受けていらっしゃる。専門的知見と豊富な臨床経験からの話は具体的で、特に日々子どもの対応に悩む親にとっては、本当に聞きたいことが聞ける講演だった。

自閉症スペクトラムには3つの特徴がある。
1、人とのかかわり、社会性の特徴・・人の気持ち、雰囲気、表情など察することが難しい。
2、コミュニケーションの特徴・・耳で聞いたことは苦手。視覚的なほうが得意。一方的に話す。話題が飛ぶなど。
3、イマジネーションの特徴・・気持ちの切換え、予測、推測、臨機応変な対応、応用、計画を立てることなどが苦手。こだわりが強い。興味の偏り。収集を好む。
以上の3つ組の特性をもつ人と特徴の現れ方が非典型的な人がある。
それ以外の特徴としては、
感覚(視・聴・触・嗅・味)に偏りがある。
不器用さ、ぎごちなさ、できることとできないことの差が大きい。

対応のしかた
定型発達の人と自閉症の人は文化が違う。どちらが良い悪いではない。お互いの文化を尊重し、違いを認め、お互いに歩み寄ることが大切。みんなと一緒に、みんな同じに、が無理なんだと認めること。自閉症の子どもは、自分が思ったとおりにしてはいけない、まわりの言うようにしないと、と周囲が想像する以上にすごく努力して合わせている。
 いらないものを片付けて、環境を整える。
 関連のあるものをまとめておく。
何をどの順番にやるか示す。
例)片づけが苦手。「ちゃんとして」では混乱する。何をどこにどのように並べる・・・など。
具体的なことは得意だが、抽象的なことは苦手なので、具体的に伝える。
例)○時○分に○○をします。○時に終わって、次に○○をします。
視覚情報処理が得意なので、視覚的に伝える。時間を視覚化する。
予測可能な状態にする。これからどういうことが起こるか、変更したり、変化があれば、それを伝える。

支援の基本は、特性は一人ずつ違うのでその子に合わせた対応をすること。
行動には特性がからんでいるので、常にその子の特性を念頭に理解すること。
苦手なことを強要せず、強みを活かした対策や対応を工夫する。

発達障害の人たちは、特性が理解されなくて辛い経験をしていることが少なくない。
その結果、強い不安、抑うつ、対人恐怖などの精神的症状、ささいなことで激しく混乱したりフラッシュバックなど、二次的な問題を抱えていることもある。
「みんなと同じでなくてもいい」「ちがっていてもいいんだ」と周囲の人が特性を認めることで、自分に誇りをもって自分を肯定して生きていけるようにすることが大切である。

子ども達のことを話すとき、村松先生の表情が思わずほころんでいらっしゃるのを見て、
愛情いっぱいに子ども達に接していらっしゃる姿が浮かんできた。
「学校を休めなくて、心がボロボロに傷ついてしまった子どもを見ていると、不登校できるのも一つの力だと思います」と臨床を通しての実感が心に響いた講演だった。

参考文献:
「高機能自閉症・アスペルガー症候群『その子らしさ』を生かす子育て改訂版」
「あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド」
どちらも吉田友子・著/中央法規
「こんなときどうする?発達障害のある子への支援2小学校」内山登喜夫・安倍陽子・諏訪利明共著
「こんなときどうする?発達障害のある子への支援3中学校」内山登喜夫・中山清司共著/ミネルヴァ

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