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日本スクールソーシャルワーク研究会 全国大会(会場・大阪) [行ってきました(♪あんだんて♪レポート)]

講演とシンポジウム 講演「子ども達の生活と学校~少年事件・虐待・非行事例から」 弁護士 岩佐嘉彦さん
 弁護士として少年非行事件の付添い人、児童相談所からの児童虐待の相談、学校からの虐待の相談、保護者からのイジメ等学校生活に関する相談などで子どもに関わる仕事をしている

学校の問題点として
教師が医師やカウンセラーなどに気軽に相談できる体制をつくる。
学校の中に「ちょっとおかしいのでは?」と気づく人を意識して養成する必要がある。

・教育と司法の連携
非行事例では、警察に逮捕された後、その先がどうなっていくのか、見通しなく学校が動いているので、保護者と生徒が学校に対して不信感をもってしまう。こういうふうになれば、また学校へ戻れて、試験や学力面で支援できる、という見通しが示せるか。

・教育と福祉の連携
虐待の場合、自相と学校との間で対立してしまい、感情的になって子どものためになっていないという事態は避けたい。

学校の利点
家で虐待を受けている子どもが、学校で普通の大人、友だちといる大切さ
子どもに直接、長時間はたらきかけができるので、工夫ができる。
背景の説明だけでなく、明日から具体的に何ができるのかを一緒に考えることが必要。現状は無理だけれど、本来はこうあるべき、という話は必要。本来の姿に近づけるべく、どう補って行くかを議論する。
こどもや保護者、当事者も参加して、ちゃんと説明を受ける。
子どもの「ニーズ」というより「権利」という発想が必要。当然受けるべき利益であり、人権、権利として対応する。権利基盤型のアプローチ。

シンポジウムで、スクールソーシャルワーカーとして働いている人の話から、最初の学年会議で、クラス担任一人ずつが、クラスの中の大変な荒れてる状態を話してくれた。泣いてる先生もいた。呆然とひたすらメモをとるしかなかった。先生からもメモをいっぱい渡された。先生たちからは、スーパーマンみたいな福祉の専門家が来て、教室の問題を福祉につなげてくれると期待されている。生徒一人ずつを見立てるより、集団としてみて、先生と子ども集団とのあいだで何が問題になっているのか、一緒に見立てていく。今、ここの段階だったらこれができるかな、ということを探っていく。先生が気がついていないいいところを見つける。

弁護士から
荒れた学校では、先生たちは元気が落ちている。会議に行くと、呼ばれて言ってるのになぜか怒っている。寝てる先生もいる。われわれでもどうしようもないのに、一体なにができる?と思われている。一生懸命やってるのに周囲から支援がないことへの、教委に対する怒りがある。子どもの人生を背負うのはわれわれ教師だという気負いを感じる。
もう少し気軽に利用できるものは利用しようというスタンスに立てないのはなぜだろう?
自相の人は、泣きそうになって疲れている。

元定時制高校教師から
今の若者たちに大人がやらなければならないことは、いい仕事、いい職場をどれだけ豊かに用意してやれるか。定時制に来る子どものように、社会的リソースを一番享受していない子に一番よい仕事を準備してやることが真っ当ではないのか?
社会的リソースをたくさん享受してきた大卒、大学院卒の人たちから、良い仕事をとっていくことに疑いをもたない支援者であってはならない。
今は、教員がどんどん忙しくなっている。入試改革、カリキュラム改編などで、忙殺されている。昔は、子ども達が働いている職場に出向いて、働いている姿を写真に撮ってまわることができた。今はそんな余裕はない。ケース会議という言葉はなかったけれど、A君のことが気になるから、みんな集まって話しようとか、学校間で交流する機会があったが、
今はどんどん失われている。そういう状態にSSWerの配置があり、「また忙しくなる、会議が増える」という意識が出てくる。
不登校の問題でも、別の人が入ることで風穴があくことがある。教護教諭がそういう役割を果たしていたが、SC,SSWerが入るのは、授業する以外の人が入るという意味でいいことだと思う。一方で心理職の人が入ると、不登校を「心の病」と教師がとらえるのはよくない。
SC, SSWerの雇用が不安定なのは問題。昨年末の派遣村のニュースをみて、臨床心理士が労働条件について連帯し始めたのはいい傾向だと思う。

会場は、全国から集まったSSWerや教員、研究者、などで熱気にあふれていた。
儀礼的な挨拶はだれもなく、率直に本題に入り、実のある話をしてくださっていた。
大阪府は、全国に先駆けてスクールソーシャルワーカーを導入したが、どんなふうに機能しているのか、今後の課題など知りたいことがたくさん出ていた。
それにしても、子どもの置かれている現状に支援の体制がなかなかついていかなくて、どこでも人が不足していて忙しい状況が伝わってくる。ぎりぎりの中で、精一杯できることをやろうとしている大人たちの姿が浮かび上がってきた。支援する人たちのケアも必要なのでは、という疑問も湧いてくるような働きぶりだと思った。


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